驚異の接着力!建築の世界でも両面テープは生きている!

家屋

両面テープは汎用性の高い素材です。今の子供たちは工作などにも両面テープを使いこなします。一旦貼ってしまうと剥がすことは困難ですが、非常に手軽な点がメリット。生活の様々な場面に登場します。

ところで、両面テープは建築の世界でも登場することをご存じでしょうか?実は、両面テープは意外に多く使われているのです。

そこで、ここでは建築物に使われている両面テープについて、物語形式で紹介します。

物語の背景

主人公は東京都内の50代の建材メーカー勤務のサラリーマン。家族は妻と子供2人。悩みは自宅の老朽化、妻と子供の反抗的態度、小遣いの少なさなど。
ある日のこと、家のリフォームについて家族で話が出た時。主人公が建築用の両面テープを口に出したことから始まる。

「ねえ、家のリフォームってお金も必要だけど、時間もかかるじゃない。近所のことを考えると『もっと早く』って思っちゃうけど、実際のところは早くならないの?」

「今でも結構早くなっているんだ。いろんな部分が簡略化されている。例えば、接着剤なんかを使うところはテープ止めにしたりね。」

「え?……家にもテープが使われているの? ガムテープみたいなのだったら危険なんじゃないの?」

「いや、ガムテープじゃないよ。もしかすると、そんなテープもあるかもだけど、すごいと思うのは両面テープだよね。」

「……両面テープ?……文房具屋さんとかでしか見たことが無いわよ。」

両面テープと聞いて嫁さんは目を白黒させている。まあ、無理もないか。両面テープ止めなんかだと「剥がれないか?」って疑問にも思えるだろうからな。

家造りにも両面テープが使われている

「ま、ともかくとして、今はテープが住宅建設の多くの部分に浸透しているわけだ。もっとも、普段に使うものとは違うテープだけどね。」

「けど、やっぱり不安だわ。そのテープについて教えてくれない?」

「分かった。」

使われているのはどんなテープか?

「テープはいろいろと使われているんだけど、大きく分けると『防水・気密性が高いもの』『強度の高いもの』『クッション性の高いもの』なんかに分けられるんだ。」

「なるほど、いろんな固定に使われているのね。」

「そうなんだ。住宅というとネジや釘で付けるイメージがあると思うけど、それだけでは接合条件が揃わない場合も少なくない。そのためにテープを使うと都合の良い場合が多いのさ。」

「ネジや釘よりも良い条件って……例えば?」

「部材の接合をネジや釘でするならば、仮に力が加わった場合に、その釘の部分に力が集中する。そうすると、その部分の破損リスクが高まる。しかし、テープであれば貼り付ける面積が大きくできるので、加わる力を分散できるので、破損のリスクが下がるんだ。」

「なるほどねえ。」

両面テープが使われている場所

「それじゃ、両面テープはどんな部分に使われているの?」

「そうだな。まずは防水・気密性の高いテープは窓まわりや外壁・屋根のように水濡れする部分なんかがあるだろうね。テープで貼り付けるならば、その部分がぴったりとくっついて隙間が無くなるからね。」

「他には?」

「内装の固定なんかにも使われるだろうね。接着剤なんかと違って貼るだけでくっついてくれるから、いろんな場面で登場するんじゃない?」

「そうだわね。」

「ちなみに、接着剤は貼り付けた後で固まるまで固定しなければいけない。固定しなければ位置がズレたりする。その点、テープは最初から粘着力があるから、ズレたるする心配は無いよね。」

テープの幅と長さについて

「ところで、テープって『固定していればOK』と思っていない?」

「え? テープって固定するためのものでしょ? 固定していれば大丈夫なんじゃないの?」

「いや、必ずしもそうとは言えないんだ。と言うのも、テープの接着面積と強度って大きな関係性があるからさ。」

「どういうこと?」

「例えば、幅が1cm、長さが5cmのテープで50kgの部材を貼り付けたとしたら、1平方センチあたりに加わる荷重は10kgになる。しかし、幅が2cmで長さが5cmのテープであれば、1平方センチに加わる荷重は5kgで済む。荷重が分散されるので、強度的に有利になるんだ。」

「なるほど、荷重の分散か。……確かに大きなポイントになるわね。」

両面テープを使うメリット・デメリット

「ところで、ここまで両面テープを使うことについて特徴を挙げて来たよね。メリット・デメリットを整理してみようよ。」

両面テープを使うメリット

「まずは両面テープを使うメリットだ。」

施工が容易

「両面テープを使うと施工がすごく簡単になるよね。接着面にペタッと貼ればいいんだから。まあ、広い面積を張るのには骨が折れるけど。」

「確かにそうだわね。子供の工作なんかでもボンドを使うよりも両面テープの方が簡単だもん。ボンドだとはみ出たりするのよね。」

「そういうことさ。」

特別な工具が必要ない

「テープの場合は特別な工具が必要ない点もメリットだろうね。ネジとかで止めるとなると、インパクトドライバーなんかの電動工具が必要だ。しかも、そんな道具は充電をしなければいけない。扱いに手間がかかる。」

「その点、テープであれば、そんな工具は必要ない。『ペタッと貼れば』いいだけだからね。」

「その通りだ。」

タレない

「接着剤を使うと、塗る部分の状況によってはタレることがある。例えば、壁面に接着剤を塗って物を付ける時なんか。タレないように、塗る量を調整しなければいけないだろ。」

「確かにそうだわね。」

「そして、その壁面に物を貼り付けたとしても、固まるまでは貼り付けた物を固定しなければいけないよな。じゃなきゃ、ズレて落ちるから」

「そうだわね。下手をしたら、床面まで落ちるかも。」

「その点、テープの場合はタレもしないしズレもしないよね。施工の手間と時間を考えたら大きなメリットなんだ。」

固まるまで待つ必要がない

「接着剤なんかは固まるまで待たなきゃならないよね。それも意外と長い時間が必要だ。」

「確かにそうだわね。瞬間接着剤みたいなタイプもあるけど、一般的な接着剤は時間が必要だわ。」

「その点、テープは基本的には待つ必要はないよね。それこそ、ペタッと貼れば終わりだ。」

「ちょっとまって。『基本的には』ってどういうこと?」

「テープによっては貼ったその場で強度が出るんじゃなくて、貼った後で強度が出て来るタイプがあるんだ。よく知られているのは建築用の構造用のテープが知られている。

……まあ、使用の際には使い方なんかも調べなきゃならないんだろうね。」

荷重の分散について

「先にも挙げたけど、『荷重の分散』も大きなメリットだ。原理的には先に挙げた通りなんだけど、もう少し話を発展させると、このメリットの大きさが分かるようになる。」

「と言うと?」

「良い例が大きな部材を付ける場合。ネジなんかで止めると使うネジが山のようにもなりかねない。そのネジをドライバーなんかで締めるのは手間がとんでもなく疲れる。」

「なんでそんな大量のネジが必要なの?」

「ネジの数が必要なのは荷重を分散させるため。ネジ1本で100kgを支えると壊れるだろうけど、20本のネジで止めれば1本で5kg程度まで下がる。接合する面への負荷は小さくなるんだ。」

「その点、テープで付ければ、貼るのに手間が掛かるけどネジよりは簡単だ、ってことかしら。」

「そうだね。テープの方が早く施工が出来て強度も高い。大きなメリットなのさ。」

両面テープを使うデメリット

「けど、両面テープはメリットだけではない。やはりデメリットも存在する。」

「どんなデメリットなの?」

一度着くと剥がれない

「まずは『一度着くと剥がれない』という点だろうね。……仮に剥がれたとしても、接着面に影響が残ることが意外に多い。」

「なるほど。特にベタッと強く貼りつくテープだと問題が大きそうね。」

「そうなんだ。強度が高いってことは剥がすのにも大きな力が必要とも言えるからね。」

経年劣化がある

「テープは化学的に物を接合する素材だ。だから、環境の条件によっては劣化が進むことがあるよ。」

「経年劣化ね。ちなみに、経年劣化に強い固定方法ってあるのかしら?」

「ネジやボルトでの締結が強いよ。腐食したり緩んだりさえしなければ、テープなんかよりも長期間の固定が可能だから。」

表面が平滑でないと貼りにくい

「テープは表面が平滑でないと貼りにくいよね。これも結構なデメリットだ。」

「平滑でないって言うと?」

「例えば、表面がデコボコの部分。テープをデコボコに沿わせなければいけないから難しい。場合によってはテープ以外の手段を探さなければいけない。」

「なるほど、デコボコだとそうなるか。」

貼る部分の下処理が必要

「これは接着剤なんかにも言えることなんだけど、貼る部分は下処理をしなければいけないこともあるだろうね。」

「下処理ってどういうこと?」

「例えば、細かいゴミや油なんかが付いている場合。そんな遺物があるとテープが上手くつかないことがあるのさ。だから、きれいにしなければいけない。」

「けど、それって何でも当てはまるんじゃないの?」

「いや、ネジやボルトなんかの場合はそこまでのシビアさは求められないだろうね。」

「なるほど。ネジとかボルトね。」

加圧が必要なタイプがある

「テープの中には加圧しなければいけないタイプもある。つまり、貼った後でギュッと強い力を掛けなければいけないタイプだね。」

「意外と面倒なのね。」

「そうなんだ。しかも、強度が出るまで時間が掛かるタイプもある。」

「なるほど。使い方を間違ってはいけないのね。」

「そういうことさ。」

後日談

両面テープについての話が終わった後、嫁さんのリフォーム業者の観察する角度が変わった様子だった。なにか、施工後の話だけでなくて施工中の状況まで気にするようになったらしい。これは良い傾向だろう。

そんな時だった。

「あんた、目星をつけていたリフォーム業者が大変なことになっているわよ!」

「大変なことってどんなこと?」

「施工で問題を起こして損害賠償請求だって。」

「なんだ、手抜き工事でもしたのか?」

「……なんでもテープ止めが問題になっているらしいの。」

「なんだって??????」

テープ止めが問題になるとはちょっと信じられなかったので、そのネタ元を確認してみた。……なるほど、原因はそこか。

「確かにテープは使ってた。種類も面積も問題は無かったらしい。けど、1つだけ失敗はあったね。」

「どんな失敗?」

「テープの『厚さ』だよ。材料の表面の状態によってテープの厚みを変える場合があるんだ。この会社はそこまで考えなかったんだろうね。」

「なんで変えなかったのかしら?」

「厚みを変えて使うってことは、テープの在庫を増やすことになる。兼用すれば在庫が半分で済む。そのテープの兼用が施工ミスに繋がったんだろうね。」

「……なるほど、テープの厚さね。……また業者を探さなきゃならないね。」

よく見ると、嫁さんは半泣きになってた模様。今まで調べたリフォーム業者をもう一回確認しなければいけないもんな。まぁ、仕方ない。これが現実だ。我が妻よ。

………「おい、なんだよ。今日の夕飯は!」

夕飯が明らかに手抜きだった。思わず声が大きくなった。トンカツが薄くなってたからである。

「今は不景気なのよ。テープが薄くなるならばトンカツも薄くていいのよ。」

……しまった。そう来るか。

なんだかんだ言って、不機嫌になると晩飯に少なからず影響が出る。まったく困ったものだ。……とほほ。

まとめ

建築用の両面テープにいついて取り上げました。「意外なところに意外なものが使われている」と感じた人も多いのではないでしょうか。また、今の素材の使われかたに驚いた人も居るかも知れませんね。

両面テープ……というと、確かに頼りないように思えるかも知れません。しかし、そこに高性能を付加しているのは「化学の研究」です。テープに関する化学的テクノロジーもハイレベル。安心して利用しましょう。

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