【物語の背景】
主人公は東京都内の50代の建材メーカー勤務のサラリーマン。家族は妻と子供2人。20年前に一戸建て住宅を購入。悩みは老朽化する家と小遣いの少なさ。子供は反抗期真っ最中。
ここで紹介するのは主人公の土地の購入に関するエピソード。土地の購入を奥さんが考えているとか。果たして大丈夫な土地か?
ある日のことだった。嫁さんが不動産の広告を持ってドタドタとやって来た。なんか悪い予感がする。こういう時は決まって危険だ。
「あんた、掘り出しものの土地があるってよ。」
……まただよ。不動産に掘り出しものなんて無いよ。
「どんな土地?」
「静かな住宅街だって。少し古いけど、周囲には民家があるわ。大丈夫な土地だわよ。」
自分は土地の写真を見てみた。家に居ながらにして行ったことのない家をスマホで見れる。うーん、便利だ。……けど……
「だめだよ。この土地。周囲に高いブロック塀の家が多い。」
「それだとマズいの?」
「風通しが悪くなるんだ。」
「それはどれくらい困るの?」
「ま、どれくらい困るか説明しよう。」
土地の風通しの重要性
「土地の風通しはいろんな意味で重要だ。風通しの悪い土地が健全かと言えば多くの点で不健全だ。しかも、意外と外観からは分かりにくい。ある季節は良かったけど、季節が変わると大変な土地になった……というケースが少なくない。」
「んじゃ、どうなるの?」
「土地が悪いと家屋が痛むリスクが上がる。家屋が痛むと住み心地が悪い。しかも、健康上の問題も起こり得る。」
「あら。それは困るわね。」
「もう少し細かく説明しよう」
「そうだわね。頼むわ」
【ここでのポイント】
土地は風通しが重要である。
風通しが悪いとどうなるか
「風通しが悪いと様々な悪条件が重なる。その場合は危険性が増す。注意が必要だ。」
「んじゃ、悪条件って何なの?」
「まずは……」
湿気がこもりやすい
「まずは湿気がこもりやすい点だ。雨の日の後なんかのジメジメした空気が残りやすい、とでも言った感じ。ジメジメしているから居心地も悪い。特に、梅雨時なんかは気分が良くないことだろうな。」
「それは困るわねぇ。」
「風が通らないんだもん。無理ないよ。」
「それは言えてるわね。」
熱気がこもる場合がある
「次に挙げられるのが熱気がこもる点。」
「熱気???」
「そう、熱気。夏の暑い時なんかは日差しがすごくて気温が上がるだろ。風通しが良いならば、熱い空気が逃げて行く。けど、風通しが悪いと熱気は逃げない。その結果、熱くなる。」
「それならば納得行くわ。困るわね。」
「分かるだろ?」
雨が乾きにくい
「風が通らないと雨も乾きにくい。さっきも言ったけど、ジメジメした空気が逃げないんだ。雨も乾かないさ。」
「確かに。」
「これも困るだろ?」
「そうだわね。」
カビやダニの問題
「ジメジメするとカビやダニの問題も出る。湿っているんだもん。そりゃぁ、カビもダニもでるさ。」
「それも納得行くわ。けど、そこまでひどい条件になるってもは思ってもみなかったわ。」
「まだあるぞ。これが一番厄介だ。」
「何なの?その厄介な問題って?」
シロアリ被害のリスクも上がる
「シロアリ被害のリスクも上がるんだ。」
「へ?それ本当?」
「本当さ。シロアリは腐った木を好む。木造住宅なんかで湿気がこもってしまうと、その部分が腐りやすくなる。柱の下の部分なんかで湿気がこもったら腐りやすくなるだろ?」
「そう言われてみれば、そうだわね」
「だから良くないんだ。」
ニオイの問題
「ニオイの問題も出て来る。湿気のこもる土地はものが腐りやすい。それで悪臭が出る。出た悪臭も逃げて行かない。」
「なるほど。ニオイも分かるわ」
「だろ?良くないんだ。」
防犯面での問題
「ちょっと離れた問題のようにも見えるけど、防犯面での問題が出ることもある。」
「それはなんで?」
「そういう土地は高いブロック塀や建物で囲まれている場合が多い。そうなると、物陰が多くなる。その物陰に侵入者は隠れやすくなるのさ。」
「……物陰か」
「そう、そんな物陰に勝手口なんかがあると危ないかもな。しかも、古い家なんかはドアが古くて防犯面で弱いかも知れない。」
「なるほど。困るわね。」
【ここでのポイント】
風通しが悪いと次のような弊害が起こりやすい
●湿気がこもりやすい
●熱気がこもる場合がある
●雨が乾きにくい
●カビやダニの問題
●シロアリのリスク
●ニオイの問題
●防犯面での問題
風通しが悪い土地の例とは
「んじゃあさ、どんな土地が風通しが風通しが悪くなるの?」
「あくまでも『例』だから、その土地に該当するかは分からないけど、『ひとつのっ傾向』として、こんなのがあるだろうね。」
「んじゃ、例えば?」
周囲に建物がある場合
「まずは周囲に建物がある場合。風の通り道が限られる。だから、必然的に湿気がこもる。特に、3階建ての家やアパートなんかに囲まれると条件は悪くなるだろうね。」
「周囲に建物ね。確かにそうだわね。」
ブロック塀やフェンスなどで囲まれている場合
「ブロック塀やフェンスなんかで囲まれる土地もそうなるよね。特に、今ではプライバシー保護のために目隠しタイプのフェンスが意外と多い。風が通らない。湿気がこもる。」
「そうなるわね。」
旗竿地など
「旗竿地なんかも条件が悪い。狭い旗竿地なんかで隣地境界ギリギリまで家屋が来ているヤツ。風が通らなくて湿気がこもりやすくなる。」
「なるほど、それも分かるわ。」
擁壁などがある土地
「擁壁なんかも注意が必要だ。家に接しての擁壁なんかはそれだけでジメジメする。しかも、風通しが悪いと湿気が出て行かない。」
「それも納得行くわね。」
【ここでのポイント】
風遠しの悪い土地の例
●周囲に建物がある場合
●ブロック塀やフェンスなどで囲まれている場合
●旗竿地など
●擁壁などがある土地
家屋や住む人への影響とは
「んじゃ、それがどのように家屋や住む人に影響するかまとめてみよう。
最初に挙げられるのが、ジメジメが残ると湿気のために居心地が悪くなるだろ。その次にカビなんかの害。カビなんかはアレルギーの元凶の1つだ。更にはシロアリだ。家の存続まで危険。」
「そりゃ買えないわね。この土地。」
「そ、諦めた方が賢明だ。」
「……うん。」
やれやれ、やっと嫁さんは諦めたようだ。ヤバいよ。あんな土地なんかね。
後日談:風通しの悪い土地を説明して
「あんた、あの土地だけど、周囲に家なんか無かったわよ!」
……「へ???」
「写真が古かったのよ。」
……なんと、んじゃぁ、あの土地は買いじゃないか!
「不動産屋に行って確認しよう。とりあえず電話だ。!」
「……はい、もしもし……わかりました。」
「どうだった?」
「だめだわ。あそこは売れたって……。……あんたのせいよ!」
おいおい、確かに写真を間違ったのは悪かったけど、なんか夕飯のおかずが減りそうな雰囲気……。
……案の定、その日の夕飯は少なかった。子供たちの視線がキツイ。また反抗的になることだろう。……居づらい。とほほ……。」
教訓:風通しの悪い土地について
ここまで風通しの悪い土地について述べて来た。その土地を個別に見るならば、他の魅力的なメリットもあるのだが、「風通しの悪い土地」には、いくつものリスクが潜んでいることを知って欲しい。
さて、今まで述べたポイントをまとめると、次の通りになる。
1)土地は風通しが重要。
2)風通しが悪いと次のような弊害が起こりやすい
●湿気がこもりやすい
●熱気がこもる場合がある
●雨が乾きにくい
●カビやダニの問題
●シロアリのリスク
●ニオイの問題
●防犯面での問題
3)風遠しの悪い土地の例
●周囲に建物がある場合
●ブロック塀やフェンスなどで囲まれている場合
●旗竿地など
●擁壁などがある土地
家づくりは土地で決まることが非常に多い。だから、土地選びの情報は多い方が良いだろう。
ここで挙げた情報を元に、より良い土地を探して欲しい。
風通しの悪い土地に関する追加情報
風通しの悪い土地が最後には家屋のシロアリ被害まで起こし得ることに驚いた人も多いのではないでしょうか。
確かに、これは悪条件が重なった場合と言えるかも知れません。
しかし、湿気がシロアリに影響し得ることは多くの情報で確認できます。
その資料の1つがこれ、「NPO法人 空き家・空き地管理センター空き家ワンストップ相談窓口」というページに記載があります。(https://www.akiya-akichi.or.jp/kanri/option/termite)
よろしかったら参照してください。
参考資料
NPO法人 空き家・空き地管理センター
空き家ワンストップ相談窓口
https://www.akiya-akichi.or.jp/kanri/option/termite
最終閲覧日:2026年2月4日
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