【物語の背景】
主人公は東京都内の50代の建材メーカー勤務のサラリーマン。家族は妻と子供2人。20年前に一戸建て住宅を購入。悩みは老朽化する家と小遣いの少なさ。子供は反抗期真っ最中。
いやいや、この家も築20年。そろそろガタが目立つようになって来た。まぁ、住宅も20年も経てば老朽化も進む。けど、何故か知らんが使えない訳ではない。しかし、美観的には問題だ。例えば床材の問題。
恐らくであるが、我が家は採光の条件が良いのかも知れない。あたたかい日差しはありがたい。しかし、床材のことを考えれば憂鬱にもなる。紫外線が床の表面を劣化させるからだ。
しかも、内装は簡単に治せない。肌の劣化した嫁さんならば化粧で何とかしてしまうが、床は化粧ができない。せいぜいワックス。困る。
そんな折だった。自分はリノベーションの広告をスマホで見つけた。そうか、リノベか、行ってみるか。
次の休みの日、自分はリノベーション会社に赴くことになった。
我が家の現状の床材確認しよう。
リノベーション会社に行く前に自宅の状態を確認しておこう。部屋単位で見たら、ざっとこんなもんだった。
●リビング、廊下、ベッドルーム、子供部屋……複合フローリング
●トイレ、洗面所……クッションフロア
まぁ、ずいぶんと安く作っているな……とも、あまりの安さの作りに悲しくなってしまったのであるが、仕方がない。安月給を工面して買ったんだ。空元気でも胸を張ろう。
ちなみに、複合フローリングにしてもクッションフロアにしても、どのような仕様かまでは分からなかった。
まぁ、いいか。迷ったら店を出ればいい。とりあえず、今回は偵察だ。
床材ってこんなに種類があるんだね
住宅建材には基本的にはグレードがある。良く見かける例が「高級グレード」「中級グレード」「普及グレード」だ。高級になればなるほど素材も機能も良くなるものだ。逆に、普及になるほどコストは下がる。ただし機能や素材なんかはそれなり。
さて、これは床材にも言えることらしい。大別するだけで3通りある様子だし、その中でも細かく分かれているようである。
とりあえず、自分の見た3種類の床材を紹介しよう。
無垢フローリング
まずは無垢フローリングだ。これは天然の木材から切り出して作るもの。だから天然の風合いが生きている。特徴はやはり「天然の味わい」だろう。柔らかい雰囲気と肌触りなんかは一級品だし、種類によっては木の良い香りまでする。古くなれば別の味わいが出るらしい。嫁さんとは大違いだ。
メリットとデメリットをまとめると、次の通り。
| メリット | ・優れた触感 ・良い香り ・調湿性を持つ ・傷は削って補修が可能 |
| デメリット | ・価格が高い ・水に弱い ・傷やシミが付きやすい ・床暖房との相性が悪いものもある |
ちなみに、無垢フローリングの特性や価格は樹種によっても異なる。
例えば、サクラ系のようなものは比較的割安だが、メープルのようなレベルは高級品だ。業者に相談する時にはしっかりと樹種まで話すべきだろう。
複合フローリング
次に複合フローリング。これは合板がベースになっている床材だ。
構造としては、合板に数ミリの厚さで薄く切った板を合板の表面に張ったイメージ。また、この表面の板の代わりにシート材を貼ったタイプもある。
メリットとデメリットをまとめると、次の通り。
| メリット | ・コストが抑えられる ・デザインが豊富 ・反りや割れが少ない ・手入れがしやすい |
| デメリット | ・安っぽい印象を受ける ・風合いや質感で無垢フローリングに劣る ・表面材の寿命が短い ・修繕が難しい |
クッションフロア
最後にクッションフロアだ。これは塩ビ素材のマット材を床材として使うもの。樹脂材のために水に強いため、洗面所などの水まわり部分に向く。ただ、柔らかい素材のため、傷には弱い。
ちなみに、クッションフロアには機能付きのタイプもある。主な機能は次の通りだ。
●抗菌
●汚れが付きにくい
●消臭
●衝撃吸収
状況に応じて選ぶと良いだろう。
【ここでのポイント】
主な床材には「無垢フローリング」「複合フローリング」「クッションフロア」がある。
購入前に確認したいこと
床の工事は大掛かりだし、選択ミスは許されない。もしも間違ってしまったならば嫁さんが怖い。下手すりゃ小遣いの大幅カットだ。
……まぁ、小遣いの話はともかくとして、工事の前にチェックしておいた方が良いことがある。代表的なものを挙げておこう。
工期・コスト
既存の床に張る場合にはいくつかの方法があるが、それによって工期も違う。
例えば、既存の床を完全に剥がして新たな床を貼るのであれば、工期もコストも必要だろう。
しかし、フローリング材は既存の床に張るカバー工法が可能。これによって工期もコストも低減されるだろう。
ちなみに、カバー工法であればDIYでも可能かも知れない。ただし、自分の力量を見間違えると失敗するので気を付けて。
掃除の方法
掃除の方法は床材によっても異なるので注意が必要だ。
例えば、水に弱い樹種のフロア材に濡れ雑巾で掃除をしたならば、場合によっては汚れがシミついてしまうかも知れない。使える洗剤のチェックも必要だろう。
床材を決める前に掃除の方法までチェックしておこう。
補修の方法
床材は物を落とすことが意外に多く、傷が付きやすい環境にあると言える。例えば、手を滑らせてマグカップを落としたらどうだろう? 場合によってはフロア材がへこむ。
また、ダイニングなどの場合には椅子を使うため、椅子の足の部分が傷になりやすい。
その場合には補修をしなければいけないのだが、補修方法が適切でないと、新たな被害を生み出しかねない。
他にも、無垢フローリング材は傷の部分をナイフやサンドペーパーで処理すれば治せるが、複合フローリングであれば中が露出して見苦しくなる。
そのような悲しい事態を防ぐため、補修方法の確認は非常に重要だ。床材を選ぶ時には注意をしよう。
ワックスについても確認しておきたい
ワックスは床材の表面を保護するのに非常に大切だ。仮にワックスを掛けずに放置しておくならば、床材の表面はみっともなく劣化してしまうだろう。
ただし、ワックスは何でも良い訳ではない。床材との相性があるので、それにあったものを用意しなければいけないのだ。
ちなみに、ワックスの種類だけ聞いただけでは不十分だろう。どこに手配したら確実に入手できるかの確認も重要なのである。
シックハウス症候群について
シックハウス症候群をご存じだろうか。
これは合板をはじめとする建材から放散される化学物質による疾患。目がチカチカしたり、咳が出たりする疾患で、かなり厄介だ。しかも、化学物質が放散された家の中は逃げ場がない。
その点、現在の国内の資材は基準を決め、健康被害が発生しないように配慮がされている。
しかし、海外から輸入した素材は必ずしも配慮しているとは限らない。
そのため、施工の前には床材の仕様だけでなく、原産国や化学物質に関する情報も集めた方が無難だ。家族全員がシックハウスになるのは悲惨極まりない。しっかりと確認して、より良い住空間を作ろう。
【ここでのポイント】
購入前に確認したいことは次の通り。
●工期・コスト
●掃除の方法
●補修の方法
●ワックスについて
●シックハウス症候群について
後日談:フローリング材を見てからのエピソード
そんなこんなでリノベーション会社を後にした。とりあえず、見学だけってことで、名刺と連絡先を置いて来た。
まぁ、なかなか収穫があった日じゃないか。珍しく気分よく帰ってみると、何を思ったのか知らないが、鬼のような顔をした嫁さんがいた。普段から鬼だが、今日は鬼レベルが違う。
「あんた!変な会社に行ったんじゃないの?」
「いやいや、普通の会社に床を見に行っただけだよ。」
「んじゃ、何なの?これは」
「よく見ると、家の電話の着信記録にこの間のリノベーション会社から鬼電が来た形跡がある。
「あんた、インチキ会社に騙されたのよ!」
調べてみると、行った先は悪名高いリノベ会社。被害者は結構な数に上っていた。
「あんた、危うく大変なことになってたのよ!罰として、今夜のビールは無し!」
……一瞬、何を言われたか分からなかった。ヤバい会社だったのは分かる。けどなんだ?
ビール無し?……そんなの認めたくないぞ。
そうは言っても、ビール無しは現実。その日の夕飯は何故か寂しかった。
教訓:フローリング材について
ここまで床について述べて来たが、各パラグラフでいくつかの重要項目があったと思う。以下はその項目だ。
●床材には無垢フローリング、複合フローリング、クッションフロアがある。
●購入前に「工期・コスト」「掃除の方法」「補修の方法」「ワックスについて」「シックハウス症候群の可能性について」
床は部屋の雰囲気を決める重要なファクターだ。それだけ重要なためにも失敗をするべきではない。建材の選択はより良い住空間の実現に欠かせない。どうか、自宅の状況をチェックし、より良い住空間を作って欲しい。
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