【物語の背景】
主人公は東京都内の50代の建材メーカー勤務のサラリーマン。家族は妻と子供2人。20年前に一戸建て住宅を購入。悩みは老朽化する家と小遣いの少なさ。子供は反抗期真っ最中。
ここではキッチンのリフォーム店でのエピソードについて公開。
「キャー、ゴキブリ!!!」
あらら、また出たか。最近になって出るようになったんだよなぁ。まぁ、生命力のある虫だ。感情的になった嫁さんよりも強いらしい。
「あなた、もーだめ。ゴキブリのいるキッチンは調理なんか出来ないわよ!」
仕方ない。ゴキブリくらいでキャーキャー言うなよ。
「もう我慢できないわ。今度の休みにリフォーム会社にキッチンを見に行くわよ!」
……やれやれだ。
かくして、次の休みの日にキッチンを見に行くこととなった。
キッチンの種類を2つに分けると……
さて、リフォーム店に到着。早速キッチンを見学した。いやー、いろいろあるね。昔の台所って感じとは完全に違う。
出てくれた店員は丁寧にキッチンの種類から説明をしてくれた。
「まずはキッチンですが、対面タイプと対面ではないタイプがあります。」
対面タイプのキッチン
「対面タイプのキッチンは壁側ではなく、部屋側に向かって作られているキッチンです。特徴は家族と話ながら作業ができること。調理の時間が楽しくなるかも知れません。
ただ、テレビなんか見ながらの調理となると、手元が狂うかも知れません。包丁で手を切らないように注意が必要ですね」
……なるほど、もっともな話だ。殺人事件のサスペンスドラマを見ながら手元で出血してりゃ困るもんな。
対面ではないタイプのキッチン
「もう1つは対面ではないタイプのキッチンです。
対面式とは違って、壁側に向かっての作業となります。対面式と違って狭いスペースでも納まります。ただ、対面式と違って調理中の家族との会話は減るかも知れません。」
……まぁ、それでもいいか。調理中に目が合うと、手伝いを強要されるからな。見えないくらいでちょうどいいだろう。
【ここでのポイント】
キッチンを大きく分けると2種類。「対面タイプ」と「対面ではないタイプ」がある。
キッチンの種類はこんなにある
「さて、もう少しキッチンを細かく見て行きましょう」
店員さんは自分と嫁さんを店の奥に連れて行ってくれた。
I型キッチン
「I型キッチンは壁に接して設置するタイプのキッチンです。昔ながらのシステムキッチンとも言えます。
先ほども申し上げた通り、壁に向かっての作業です。ただし、狭いスペースであっても十分に納まるので、キッチンの面積があまり無い場合におすすめです。
ちなみに、既存のキッチンがI型で、新しく設置するキッチンもI型の場合には、配管やダクトの工事が比較的簡単です。そのため、コストを抑えることも可能となります。」
……なるほど。配管とダクト工事が簡単ならばいいな。

L型キッチン
「次にL型キッチンです。
これはキッチンのコーナー部分に接する恰好で設置されるキッチンです。I型キッチンと違って家事動線が斜めにもなるため、作業効率が上がります。
ただし、L型はI型よりもスペースが必要。狭い場所には向かないかも知れません。
……確かに。I型だと横移動だけになるけど、L型は斜めのショートカットができるもんな。作業効率が上がるのも納得が行く。

U型キッチン
「次はU型キッチンです。
これはL型のキッチンに対面する部分を組み込んだタイプのキッチン。カウンターや作業台がU字型となったキッチンです。
作業スペースを広くしていますので、効率が上がります。また、家族で一緒に料理するときなどもおすすめです。」
……なるほど、これで子供と料理か。子供は喜ぶだろうな。

ペニンシュラ型キッチン
「次はペニンシュラ型キッチンです。ペニンシュラは日本語で言うと『半島』を意味します。
このキッチンは片面が壁に接しているために、ちょうど半島のような形。そのためにペニンシュラキッチンと呼ばれています。
なお、ペニンシュラキッチンも振り向きながらの作業となり、効率的です。」
……作業動線もだけど、デザインもおしゃれだね。

アイランド型キッチン
「最後はアイランド型キッチンです。
作業台が壁から独立して設置されるキッチンで、作業台の左右どちらからでも出ることができる点が特長です。
家族とのコミュニケーションを取りながらの作業ができますし、テーブルに移動するのにも便利です。」
……なるほど、これもおしゃれなデザインだな。

【ここでのポイント】
主なキッチンの種類は次の5通り。
●I型キッチン
●L型キッチン
●U型キッチン
●ペニンシュラ型キッチン
●アイランド型キッチン
注意点をリフォーム会社の店員に聞いてみると……
なるほど、これは面白い。けど、リフォームにあたっての注意点なんかはどうなのかな?
そんなことを考えていたら、店員が切り出してくれた。
「次はキッチンリフォームの注意点を説明しますね。」
配管との関係
「まずは配管との関係を考慮しなければいけません。
例えば、排水管は適切な傾斜を付けなければ流れが悪くなってしまい、詰まりやすくなります。
そのため、キッチンの変更と移動には注意が必要です。I型キッチンをアイランド型に変更しようとしても、配管の関係で難しいこともあるのです。
ちなみに、そのようなキッチンの変更は配管工事も必要です。そのため、施工費用も相応にアップします。」
……なるほど。排水管の工事ならば、下手すりゃ床の工事にもなるもんな。
ダクトとの関係
「また、ダクトとの関係も注意しなければいけません。
例えば、I型キッチンのように、換気扇が壁に設置してある部分に排気用のダクトを設置するためには、やはり工事が必要です。また、天井高さによってはダクトの都合で変更そのものが不可になることがあります。
……なるほど、ダクトにも上下の厚みがあるし、天井に納める必要もあるもんな。
広さの問題
「また、キッチンそのものの広さも注意しなければいけません。
I型キッチンは壁付けなので、ダイニングの方までせり出しませんが、アイランド型の場合は独立するのでキッチン設置のためのスペースが必要です。
仮に、広さが不十分なダイニングに設置されると、キッチンでダイニングが占められてしまいます。」
……そうか。アイランド型は作業テーブルを置く面積が必要なんだ。
コストの問題
「コストも重要な問題です。
先にも挙げたように、キッチンの工事は状況によっては大規模にもなり得ます。その場合は工事費も必要です。
また、キッチンを広くするために広いLDKを作るならば、間取りの変更もしなければいけません。壁の撤去などは大きな工事です。費用もそれだけ高くなります。」
……なるほど、費用もそうなるか。……けど、この部分、嫁さんは聞いてないらしい。完全に上の空だ。
調理の問題
「調理の問題も発生する場合があります。
よくあるのが『油跳ね』です。アイランド型などで揚げ物をすると、油が広い範囲に飛び散る場合があります。
その場合には床掃除もしなければいけません。
その点、I型などは掃除の範囲が狭くて済みます。」
……そうだね。油は床の四方に飛び散るもんな。
露出の危険性
「他にも、キッチンの周囲が見えてしまうこともあります。
例えば、U字型のキッチンであれば足元が隠れます。物を少々乱雑に置いたとしても、気にならないかも知れません。
しかし、アイランド型などの場合はダイニングから丸見えにもなり得ます。そのため、収納も考える必要が出るかも知れません。」
……なんだ、整理整頓か。嫁さんにとっては致命的な問題だな。
【ここでのポイント】
キッチン工事の注意点
●配管との関係
●ダクトとの関係
●広さの問題
●コストの問題
●調理の問題
●露出の危険性
リフォーム店を出る前に……
「ステキだったわぁ。まるで夢のようね。我が家もこんなキッチンになったらいいのに。」……嫁さんたら、目がキラキラし過ぎてやがる。
「ところでリフォームにトータルどれくらいが相場になりますか?」
「キッチン単体ですと100万円くらいが目安ですが、LDKに改装となると、大体600~800万円くらいは……」
「ろっぴゃくまん???」
この価格提示で嫁さんのキラキラした目はいきなり曇ってしまった。まぁ、ゴキブリぐらいでキッチンを買おうってのが間違いだ。
後日談:次の日のこと
次の日だった。いつものように会社に行くべく、身支度を整えた。
ビジネスシューズを履いてイザす出陣!……と思ったら、靴の中でグチャっとした感触。なんだこりゃ?
慌てて靴を脱いで見ると、靴下には潰れたゴキブリがくっついている。とにもかくにも気持ちが悪い。
……なるほど。ゴキブリって玄関にも出るのか。……しかし。汚い。泣けてくる。
教訓:キッチンのポイント
ここで、ここまで挙げて来たポイントを復習してみよう。
1)キッチンを大別すると「対面タイプ」と「対面ではないタイプ」がある
2)主なキッチンの種類は次の5通り
●I型キッチン
●L型キッチン
●U型キッチン
●ペニンシュラ型キッチン
●アイランド型キッチン
3)キッチン工事の注意点
●配管との関係
●ダクトとの関係
●広さの問題
●コストの問題
●調理の問題
●露出の危険性がある
特にリビングダイニングキッチンは家族の集まる場所。それだけに設置には注意が要される。ぜひとも優れたキッチンを作り、家族で美味しい夕飯を囲んで欲しい。
キッチンリフォームの追加情報
ここからは少しの追加情報です。
キッチンリフォームの方向性と価格について取り上げます。
キッチンリフォームの方向性
物語の最初の方でリフォームについての法律での対応を少し述べました。それについて少し述べましょう。
さて、本文中の住宅は築20年。意外にボロボロです。仮に子供たちに家を引き継ぐならば健全な住宅でバトンタッチをしなければいけません。せっかく受け継いだ家がボロボロであっては負債の押し付けであって、相続とは言っても名ばかりです。
ところで、「住生活基本法」をご存じでしょうか。
これは「良質な住宅ストックの形成・維持」を基本理念としている法律。現状においては耐震化やバリアフリーなどが謳われ、キッチンには直接は関係ないですが、キッチンリフォームも方針としては合致します。
主人公夫妻のリフォームへの思いとも合っているとも言えます。築20年とは言っても、子供世代は安心して引き継げるわけです。
キッチンの価格について
キッチンの価格は先に挙げたタイプ(アイランド型やペニンシュラ型)などで決まるのではなく、メーカーの出す機種によって異なります。
では、メーカーの公表する価格帯はメーカーにもよりますが、有名メーカーで調べると、次の表のくらいになります。
・高級グレード:100~320万円 ・中級グレード:80~220万円
・普及グレード:60~180万円
ただし、キッチンは組合せやレイアウトによって価格が変動します。また、LDKへの改装は別途に床工事や壁工事、既存の部屋の撤去費用など、価格は膨らみがちです。詳しくはリフォーム会社にご確認ください。
【おすすめの記事】
本記事ではキッチンについて取り上げていますが、こちらの記事ではLDKについて述べています。参考になりますので、どうぞご覧ください。
家の間取りのベストチョイスを考えると……LDKをどうする?

